月末だったせいか蒸し暑いコートに集まったのは、アラフォーのおじさん三人だけでした。
序盤のウォーミングアップの段階で、既に汗は噴水のように噴き出し、三人は倒れる寸前でした。そんな空気を察して、コーチも休憩を入れます。
扇風機にあたりながら、隣のコートに目をやると、全国制覇を目指す、二人の中学生が特訓を受けてます。右に左にボールを打ち込まれ、走り回る少女は、暑さの中、疲れはピークに達していました。
そこで、コーチが叫びます「苦しい時こそ、テンション上げるんだ!!」
その言葉に触発されたのは、むしろ隣にいたおじさん達でした。コートに戻り、老体にムチ打って、がんばります。Tシャツは、汗というより、土砂降りにあったようにずぶ濡れ、ふらふらになって、レッスンは終了しました。
「久しぶりにいい汗かいた」メンバーの一人が呟きました。そして僕は感じました、敵に負けるより悔しいことは、自分に負けることだと‥
今夜はちょっとだけ勝てたかもしれません。