背中に、春の日の日差しのような温もりを感じ、振り向くと、娘さんが寄りかかっていました。
39歳の障害者の娘さんは、食事から排便に至るまでの全面介護。小さいころから抱き締められるのが嫌いで、いつもギュッとすると顔を背けて嫌がりました。
この子の心をわかってやれるのは、自分しかいないと、一人で頑張ってきたお母さんですが、そろそろお別れの時期のことも考えていました。そんな時、娘さんがデイサービスの男性スタッフに今まで見せたことない笑顔を向ける姿を目にしました。
人に寄り添えるようになった娘に、自分がいなくなっても周りの寄り添って、生き抜いてほしいと、願うお母さんでした。