先日、三沢光晴氏が、リング上で、壮絶な最期をとげました。謹んでご冥福をお祈りします。
このニュースを聞いて、小学生時代のある出来事を思い出しました。
確か今頃の次期だったでしょうか、走り高跳び用のマットを利用して、プロレスごっこをしていたのです。内藤君という子が、渡辺君に、今回三沢選手がくらったのと同じバックドロップをかけた時でした。
打ちどころが悪く、頚椎の神経をおかしくして、渡辺君は体の自由が効かなくなったのです。
即救急車で運ばれ、数時間に及ぶ手術が行われました。幸い一命は取り留め、今は動かない体も数か月の期間をおけば治るとのことでした。
その日の夜、お見舞いに駆け付けた内藤君のお母さんに、渡辺君は、こう言ったそうです。
「おばさん、内ちゃんのこと叱らないでね。叱らないでね」
あまり勉強はできる方ではなかった渡辺君でしたが、翌日担任の先生のから、この話を聞いた時は、クラス一同、彼のことを見直しました。
数ヶ月後、渡辺君は、元通り元気になり、宿題を忘れて、先生に叱られる元通り勉強の苦手な渡辺君に戻っていました。
でも、彼の優しい心は、今でも僕らの心に深く刻まれています。