アンモニア水
　タンパク系シミ抜き剤のもっとも単純なものとしてアンモニア水がある。濃度は２５～３０％である。
　この原液だとＰＨが１３以上で強いので１０～２０倍薄めてＰＨ１２以下にして使うのがよい。アンモニア水は刺激臭が強いがすぐ蒸発するので、繊維に残らない。

タンパク系の汚れ：一般に動物や人間に由来する汚れ
　　　　　　　　　　例　血液・牛乳・卵・魚汁・肉汁

タン二ン系の汚れ：一般に植物に由来する汚れ
　　　　　　　　　　例　お茶・ビール・ワイン・ジュース・コーヒー

タンパク系のシミ抜き剤は全てアルカリでＰＨが８～１１ぐらいの範囲。
タンニン系のシミ抜き剤は全て酸性でＰＨが３～５ぐらい。
サビ取りになるとＰＨは２前後で強酸です。

弱酸　　　　酢酸・クエン酸・乳酸・ホウ酸
強酸　　　　塩酸・硫酸・硝酸・フッ酸・シュウ酸

弱ｱﾙｶﾘ アンモニア水・石鹸・重曹
強ｱﾙｶﾘ　　　苛性ソーダ・水酸化カリウム・水酸化カルシウム


　

モノクロルベンゼン
　透明流動揮発性の液体。燃えやすい。アーモンドのような香りがある。水には溶けない。

　アルコール・エーテルには溶ける。緩い麻酔性があるが毒性はベンゼンより少ない。
　有機溶剤と混和しやすい。油脂・ワックス・ゴム・天然および合成樹脂を溶解する。

酢酸アミル
　無色流動性の液体。引火しやすい。バナナのような香気がある。水に不溶。
　　
　アルコール・エーテル・ベンゼン・クロロホルムに溶解。ニトロセルロース・セルロイド・
　酢酸ビニール・ロジンなど天然樹脂をよく溶かす。

※ただし、プリントや表面コーティングしたもの、プラスティックボタン・ビーズ・スパンコールおよび合成皮革の縁取りなどは避ける。

◎酸化型（不飽和油）

生物系　植物系　　紅花油　菜種油　ごま油　大豆油　コーン油
　　　　動物系　　魚油　　鯨油

鉱物系　なし

特徴　　酸化しやすい　黄変する　落ちにくい　腐敗臭


◎非酸化型（飽和油）

生物系　植物系　　オリーブ油　ココナツ油
　　　　動物系　　ラード　バター　

鉱物系　石油系　　エンジンオイル　グリース　ワックス

特徴　　酸化しにくい　黄変しない　落ちやすい　臭い変化なし

例えば
　中華料理のシミ→ゴマ油→落ちにくい
　イタリア料理のシミ→オリーブ油→落ちやすい


　

溶剤成分‥‥‥‥‥‥‥トリクロルエチレン・塩化メチレン・石油
グリコールエーテル‥‥ブチルカルビトール・エチルセルソルブ
界面活性剤‥‥‥‥‥‥ノニオン系界面活性剤
その他‥‥‥‥‥‥‥‥グリセリン

シミ抜き成分の効果

溶剤
　トリクロルエチレン　　ボールペン×　　マジック黒×青○赤◎
　モノクロルベンゼン　　ボールペン×　　マジック黒×青○赤◎
　アセトン　　　　　　　ボールペン×　　マジック黒×青○赤○

酢酸エステル
　酢酸ブチル　　　　　　ボールペン×　　マジック黒×青Δ赤◎
　酢酸アミル　　　　　　ボールペン×　　マジック黒×青Δ赤○

グリコールエーテル類
　ブチルセルソルブ　　　ボールペン○　　マジック黒○青○赤○
　エチルセルソルブ　　　ボールペンΔ　　マジック黒◎青○赤○